VTRテープ整理中に残しておきたいかなと思った第3弾はドラマ「夏子の酒」です。

これは尾瀬あきらさんの漫画が原作で
当時の新潟和島村の久須美酒造の
幻の酒米 亀の尾を復活させた話を参考に描かれた
夢のお酒を作る女性の物語です。

お米からお酒が出来るまでと丁寧に書かれているので
平成日本酒ファンのバイブルみたいな存在ですよね

ストーリーはコピーライターを目指す夏子さんが
亡き兄の夢を受け継ぎ、実家の蔵元に戻って
幻の酒米龍錦を復活させて夢の大吟醸酒を世に出すまでなのですが

研究所に残っていたわずかな種籾から無農薬の有機栽培で
素人の夏子さんがほとんどひとりでお米を育てるこれが1年目の話

困難を乗り越え無事収穫されたお米はお酒を造れる量には全然足りず
お酒のお米を作る苗になる訳で今度は農家の皆に協力していただいて
2年目にお米を作れるようになるまでが、また困難の連続で
まあ、無農薬栽培って大変なことなのにどう説得するのか

そして3年目にようやくお酒を作り始める訳ですが、
ここでも杜氏と蔵人の長年の経験と新しい考えのどちらを取るか

そんな原作に新たなキャラクターやいくつか恋模様を追加しての
TVドラマとなっています。

そしてこのドラマはお米の作る話の為、民放には珍しく長期ロケで
しかもモデルの久須美酒造を中心に長岡、新潟でロケされました。

オープニングは熊谷幸子さんの「風と雲と私」の爽やかの歌声に
東京の放送局が撮るとこう映るのかと驚いた田んぼが印象的でした。
natuo-resize

脚本は水橋文美江さんで最近は朝ドラ「スカーレット」でお馴染みですね。
発表時代表作として「夏子の酒」が書かれてました。

夏子さん役は和久井映見さん
連続ドラマ初主演だったそうです。
私的には朝ドラ「ちりとてちん」のお母さん役から急激に評価が上がりましたが
この時はまだ売り出し中の綺麗な女優さんのイメージでしたが
和久井さんは実は栃尾出身のような情報もあります。
生まれた時なのかわかりませんが地元ゆかりの女優さんだったのかも?

その和久井さんとその後結婚、離婚される萩原聖人さんが
まさに夏子さんへ密かに思いを寄せる蔵人役でした。

真面目で誠実な夏子さんの兄役が中井貴一さんと
新潟が舞台のドラマに合う雰囲気の俳優さんだったような気がしますが

私がこのドラマに特に魅かれたのは実は脇役の女優陣なんですね~

兄嫁役に若村麻由美さん
朝ドラ「はっさい先生」以来、「科捜研の女」シリーズとか
強い女性のイメージがありますが、
旦那さんの後輩の石黒賢さんの求愛を受けて
揺れる未亡人と珍しいかよわい女性役でした。

夏子さんの同級生役で松下由樹さん
東京で夢破れワケアリで地元に帰って来て、
何かと夏子さんに反発し、やがて打ち解けるも
最後は恋のライバルにも

トレンディドラマでお姉さんの彼氏を奪う妹役で
ブレイクしていった松下さんですが
映画「アイコ十六歳」でアイコの同級生役でデビュー
その後踊れる女優を目指して歌番組やCMで踊っていたり
連続の主演ドラマはもうひとつだったようですが
脇役ではずっといい味出していて、その後「ナースのお仕事」の
頼れる先輩役とかで人気女優へとなっていきました。

夏子さんの同級生の彼女から奥さんの役で長谷川真弓さん
元々人気子役で灰谷健次郎さんや向田邦子さんのドラマが印象的でした。
「世界ウルルン滞在記」では久須美酒造の「亀の翁」を持って
海外のホームステイ先へお礼?に行ってましたね~

和久井さん含めこれらべっぴんさんの女優陣が全員
田んぼに入るというこのドラマ、結構貴重かも(笑)

そして他の脇役俳優陣もいい味出してましたね~

平泉成さんは村の龍錦反対派の長で
あの温和なイメージの平泉さんを敵に回すと怖いなみたいな

そして平泉さんの分厚い壁に阻まれ絶体絶命の夏子に対して
最後の最後に寝返って大逆転のきっかけを作ったのが
近所の農家役の川原和久さん
今の「相棒」のいかつい強面の刑事役イメージからは思えない
優し気なおじさん役でした(笑)

このドラマこれまで意外に再放送が少なかったようで
その原因かもと思ったのが石黒賢さんと松下由樹さんの
ヘビースモーカー設定ですね。

二人とも登場の度にタバコ吸っていて、
吸い殻投げ捨てたりこれでちょっと時代を感じてしまいましたて

夏子の酒DVD BOX
中井貴一
ポニーキャニオン
2010-05-19